新米ママの気ままな暮らし

初の育児に右往左往しつつ、居心地の良い部屋作りと楽に家事をこなす方法を模索中。

空白を満たしなさい/私とは何か

 以前読んだ小説で、目からうろこの小説があります。

この著者は小説の中で、とある思想を説いているのですが、それがまあ衝撃的で。

それと同時に素敵な考え方だと感動せずにはいられないものでした。

それがこの「空白を満たしなさい」という小説です。上下巻あります。

下巻で登場する「分人」という考え方が驚きで、その時の衝撃は今でも忘れられません。

そして、この「分人」という考え方が広まれば、自ら命を絶つ人などが減るのではないかなと思います。この考え方を様々な人に知って欲しいと本当に思います。

 

この「分人」という考え方を簡単に説明するとこうです。

 

自分という人間は一つの個人として考えられている。けれど、接する相手によって選ぶ言葉や対応の仕方が変わるもの。自分はたった一つと考えずに、家族といる時の自分、友達といる時の自分、職場でいる時の自分、という風に、自分を分けて考えるのが分人である。

 

仕事では相手に嫌な思いをさせないように、言葉遣いに気を遣ったり愛想笑いをすることもあるでしょう。でも、小さな子供と接する時は、使う言葉も変わるし、表情や会話の内容だって全然違うものになります。共通の趣味がある友人とは、話題も自然とそれを選択しますよね。

でも、どれも自分であることには変わりありません。

 

「人間は、生きていくためには、どうしても自分を肯定しなければならない。自分を愛せなくなれば、生きていくのが辛くなってしまう。しかしですよ、自分を全面的に肯定する、まるごと愛するというのは、なかなか出来ないことです。よほどのナルシストじゃない限り、色々な嫌なところが目についてしまう。しかし、誰かといる時の自分は好きだ、と言うことは、そんなに難しくない。その人の前での自分は、自然と快活になれる。明るくなれる。生きていて心地が良い。全部じゃなくても、少なくとも、その自分は愛せる。だとしたら、その分人を足場に生きて行けばいい。もしそういう相手が、二、三人いるなら、足場は二つになり、三つになる。だからこそ、分人化という発想が重要なんです。」

 

 

 

そしてこの分人の思想を説いた本がこちらです。

小説を読んだ時の衝撃が凄すぎて、思わずこちらも買いに走ったのを覚えています。

 

 

なぜ人は、ある人とは長く一緒にいたいと願い、別の人とはあまり会いたくないと思うのだろう?相手が好きだったり、嫌いだったりするからか?それもあるだろう。しかし、実際は、その相手といる時の自分(=分人)が好きか、嫌いか、ということが大きい。

 

愛とは、相手の存在が、あなた自身を愛させてくれることだ。そして同時に、あなたの存在によって、相手が自らを愛せるようになることだ。

 

 

今までにこんな考え方を聞いたことはありませんでした。

でも、「あ、これだ。」と思いました。

初めてこの本を手に取ってから約数年の月日が流れ、忘れかけていましたが…

今、この本を読み直しても、この考え方は凄いなと驚きます。

もっともっと普及して欲しいですね。

たくさんの本を断捨離した私ですが、この本は手放すことなどできませんでした。

それくらい、私に大きな影響を与えた大事な大事な本です。